新型コロナウイルスによる不安やストレスなどの心の問題に対処するために

新型コロナウイルスの情報に翻弄され、巻き込まれている自分に気づく

新型コロナウイルスの感染ニュースの報道についてとても気になっている。コロナウイルス感染症とは何なのか、今の状況はどうなっているのか、感染症の専門家の見解、厚生労働省や政府の発表などテレビをしっかり見続けた。そして、この慣れない状況下、日々の報道に翻弄されている自分に気付いた。そのことについてお話したい。

クルーズ船から始まった新型コロナウイルスの怖さの報道は、TV等でかなりの量が連日扱われている。人の少ない繁華街の様子をTVニュースで見ると、土日の外出自粛はかなり守られている印象だ。日々の感染拡大の報道の一方で、「ここで抑えられたら」と緊急事態を想定した対策を提起している。(後日、緊急事態宣言が発令された)

私の例だが、3月4日の歌舞伎公演中止で払い戻しになる等の案件があり、毎年開催される産業カウンセラー協会の全国研究大会(今年は関西)も延期となった。オリンピックの延期、観劇、美術館、動物園などの行事 ・・・楽しいとか刺激を受けるとか、健康的とか、役に立つとか、生活のプラスになるものの多くが休業・休館になってしまった。息抜きや刺激が自由に出来ない状態になりつつあるのだろうか。このような状態がいつまで続くのかわからない今、自分で工夫するしかないのかしら。
今までの大きな災害時の大変な状況とは異なり、見えない敵と戦っているような感じになる。検査を受けるなどの体制もあまり進展が無く、陽性・陰性のチェックもままならない現状だ。
家に居ると新型コロナウイルスの報道を浴び過ぎてしまい、いつのまにか『精神的な緊張』が溜まっているに違いない。既に2ヶ月もつきあってきたし、しばらくこの状況で過ごすことになるであろう。慣れない状況に翻弄されている自分に気づいて驚いている。
 

 電車内での事 

マスクをしないで昼間の電車に乗ったら、乗客の殆どがマスクをしていたので慌ててマスクをしたが、ふと考え「今のところ私は罹っていない」ようだし暑苦しいから、とマスクをとってみた。だが、気持ちが落ち着かず、またマスクをかけてしまった。
その後テレビで、「アメリカでは予防のマスクをしない」、「マスクをしていた日本人をコロナ患者扱いしていじめるので、マスクをやめた」という女性の取材があった。文化の違いだろう。(※)この話で、普段の私だと我が意を射たりと、マスクをしないほうに傾くのだけれど、合理的だなあと賛同しながらも、東京の電車の乗客の多くに習うつもり。マスクをしている方が気楽でもあり、ここは日本だから、私もいよいよマスクの手作りの準備(材料集めから)が必要かもしれないと思った。
※現在ではアメリカもトランプ政権が国民にマスクの着用を勧める方針を示している。

「強いウイルスだ」+「広がっている」⇒ 心配性になっていた“私”発見

どちらかといえば私はいい加減だから、TVによる「大変強いウイルスである」ことや「拡大を阻止しなければ大変なことになる」というメッセージを他人事として適当に聞いていたつもりが、いつのまにか新型コロナウイルスの存在をかなり取り込んでいたらしい。高熱が出るか、だるくなるかしたら、検査を受けようかとも思っていた。だが、体温を計ると毎朝36度近辺の平熱でしかない。いつの頃か「体温計が壊れているのでは?」と思い、「だるいと思えばだるいし」と思って外出途中でウイルスをもらってきてないかと心配していた。「だらだら生活しているのも?」「もしかしたら罹患したかしら?」などと心配するが口には出せないでいた。

ところが、久しぶりに電話相談の担当日に出かけて数件の対応をしたら、その間、いつもの自分と同じにてきぱきと会話していたのだ。新型コロナウイルスのことをすっかり忘れていた。熱もだるさも何も気にしなかったし、心配が吹っ飛んでいた。「えっ! 冷静に現実的な眼でいなかった自分だったの?とりこまれていたの?」「我ながら、“巻き込まれていた”とは!」と気が付いてびっくりした。

新型コロナウイルスは強力だというのだから、しっかり手を洗う、人ごみに行かない、などの具体的な行動をとろう。なんとなしの心配が気を弱くしていたのではないかと気付いた。
「心配」と書いているが、「不安」を感じていたのではないのかと、自分に尋ねてみた。「不安はない。」不安を感じていたらもっと味わう感覚が違うだろうと思った。陰性か陽性かの検査を受けたい時に受けられるなら、自己責任で動ける。この疑心暗鬼状態を“私”らしく客観視したい。

久しぶりに晴れたので、石神井川沿いの満開の桜を見に行った。すばらしい並木だった。
外出自粛で家に閉じこもる毎日。買い物も人と距離をとり、眼鏡をかけマスクで顔を覆い、急ぎ足の日々である。テレビ報道や世間の状況に巻き込まれた自分を発見し、ときに普段の自分を取り戻すことの大切さを改めて感じた。


​一般社団法人日本産業カウンセラー協会
シニア産業カウンセラー・協会スーパーバイザー・臨床心理士
渋谷 武子

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