新型コロナウイルスによる不安やストレスなどの心の問題に対処するために

大変なときほどいいことを探そう~捉え方を変えてみる~

情報に振り回されず、正しく感染予防行動をしていきましょう

最近は新型コロナウイルス関連のデマやフェイクニュースが多くなっています。
先日も友人のところに送られてきた「拡散して」という情報を不審に思い、調べてみたら静岡新聞からの訂正報道を見つけました。静岡新聞の記事には、「静岡赤十字病院の医師をかたり『医療態勢が崩壊する』などと不安をあおるメッセージがSNSを通じ拡散されて、病院に問い合わせが多くよせられた」というものでした。

トイレットペーパーや食料品の買いだめなど人々の不安を煽るデマや最近では詐欺まで出てくる始末。
悲しいニュースばかり聴いていると気持ちが滅入ってきますね。こんな時こそ情報リテラシーを高めて、冷静に対処していきたいものです。まず、信頼できるニュースソースか確認しましょう。「拡散して」というのは怪しいケースが多いです。惑わされないようにしていきましょう。
 

基礎疾患を抱えている人はより注意しましょう

私は、がんサバイバーで治療の関係で免疫力が低下している状態です。だから健常者の方と比べると、新型コロナウイルスにかかると重症化しやすいと思われます。そういう意味ではとても不安です。そのような不安を持っておられる方もいらっしゃると思います。
この原稿を書いている日に、女優の岡江久美子さんの訃報が飛び込んできました。心よりお悔やみ申し上げます。同年代で同じがんサバイバーである岡江さんの死は大きな衝撃でした。

改めて、「かからない、うつさない」行動が大事だと思いました。 

感染症予防が広く周知された環境

しかし、捉え方を変えてみると、新型コロナウイルスの流行により、基礎疾患を持っていると感染症が怖いということが広く周知されたことで、感染症予防の意識が高くなったことはありがたいことです。
基礎疾患を持っている者からすると、コロナが流行るまえから、インフルエンザやノロウイルスなどの感染症は同じぐらい怖かったのです。少し咳をしている人がいるだけで心の中は「ドキドキ」でした。手洗いうがい、マスクの着用はこの3年半ずっと気をつけてきた習慣です。

流石に今は開講できていませんが、この3年間ぐらいは講師やカウンセリングのときはマスクをするわけにもいきませんし、夏などは移動中のマスクは暑くて大変でした。今は却って皆さん気をつけていらっしゃるし、ほとんどの方がマスクをしてくれていますので、電車の中などでも安心です。気をつけることはコロナの流行前も今も変わりませんが、周囲の環境はとても良くなったと捉えることもできますよね。
 

いいこと探しをして寝る前に良かったことをメモしていきましょう

病気になったときもそうですが、私は大変なときほどいいこと探しをします。探すと必ず一つや二つは見つかるものです。見つかると「あー不幸中の幸い」とか「なーんだ、案外運が良いなー」と思えてきます。

好きな言葉に「After rain comes fair weather/止まない雨はない」があります。今は苦しい時でも、その先は素晴らしい日が必ず訪れます。

たとえば、企業でテレワークが進み、オンラインで会議や勉強会もできるようになり、働き方が変わってくるでしょう。空気がとてもきれいになって、星空が見えるところが増えているそうです。最近夫婦連れで散歩している方々をよく目にします。なにかしら、身近におこっていることにちょっといいことに目を向けてみましょう。

ポジティブ心理学で有名なペンシルバニア大学のセリグマン教授らの研究では、毎晩寝る前に良いことを3つ書くことを1週間継続するだけで、その後半年間にわたって、幸福度が向上し、抑うつ度が低下するという結果がでています。これは、睡眠時に記憶が定着するので、寝る前に嫌なことや不安なことを思い出して考えるのではなく、良かったことを考える習慣をつけることを推奨しているのだと思います。今日から、寝る前にいいこと探しをして3つ書きとめてみてはいかがでしょう。
 

アロマセラピーでストレスケア

最後にストレスへの手軽なケアの方法をご紹介します。アロマセラピーをうまく取り入れてみませんか。
アロマセラピーとは「芳香療法」という意味で、植物から特殊な方法で抽出した芳香物質(これを精油といいます)を用いて心と身体に働きかけ健康な状態に導いていくのです。

精油の香りは、嗅覚を通じて電気信号となって脳に届き、ホルモン分泌の司令塔である、脳の視床下部や下垂体に働きかけます。精油はそれぞれ効果が異なりますが、緊張感を和らげリラックスさせて、気分を落ち着かせるなどストレスのケアに最適です。

 手軽なアロマセラピーの方法


  1. アロマライト( 1回精油3~6滴程度)やアロマスプレーなど芳香浴で香りを楽しんでリラックスしましょう。精油には殺菌効果もあるので、今の時期お勧めです。嗅覚は時間と共に鈍化するので、時々空気を入れ替えましょう。
  2. 浴槽に精油を8滴入れよくかき混ぜて半身浴。全身の力を抜いて香りを楽しみましょう。皮膚刺激のある柑橘系の精油やペパーミントは避けてくださいね。
  3. 精油ではなくハーブティも手軽で効果的です。特に眠りをさそうハーブティ(カモマイルとリコリスのブレンドお勧め精油は甘く飲みやすい上に免疫力UP)などでよい睡眠をとってください。

*アロマスプレーの作り方は簡単です。無水エタノールがあれば良いけど、手に入らなければウォッカで代用できます。ウォッカ25㎖に精油10滴(お好きな精油を2種類ぐらいブレンドして)精製水5㎖をよくかき混ぜて、スプレー容器に入れて完成です。

 お勧め精油

 精油
効果
 ペパーミント
 ローズマリー
ノルアドレナリンを分泌し、中枢神経に働きかけ神経の興奮や心身を活性化させ集中力や記憶力を向上させたり、活力を与える
 ゼラニウム
 ベルガモット
視床下部でのホルモン分泌を促進し、自律神経を調節し、バランスを取る情緒を安定させる、抗うつ作用がある。
 クラリセージ 記憶や情緒などの意識を呼び起こします。気持ちが高まり幸福感を与える。鎮痛作用があるので片頭痛や筋肉痛にも効果を発揮し、喉が痛いなどの症状にも効く
 ローズオット 気持ちが高まり幸福感を与える。幸福感を与えながら心を鎮める効果
 カモマイル
 ラベンダー
セロトニンを分泌し高い鎮静効果で、緊張や怒りなどを鎮め、気持ちを落ち着かせ、リラックスさせる。安眠効果もある

精油は通販などでも購入できますのでよかったら試してみてください。

 ​一般社団法人日本産業カウンセラー協会
シニア産業カウンセラー・ 1級キャリアコンサルティング技能士・IFAアロマセラピスト
石川邦子

上記と同じ内容をPDFにしています。周りの方への情報提供にご活用ください。
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