新型コロナウイルス感染症対応
― テレワーク(在宅勤務)取り組みの留意点 ―
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、急遽、在宅勤務を命じられ自宅でお仕事される方もいらっしゃることと思います。突然のことで家での仕事の体制が整わず思わぬトラブルや不安、負担を感じて苦しんでおられる方もおられるのではないでしょうか。
初めての在宅勤務、1人で仕事をされる方、家族とずっと一緒の時間が続く方、それぞれさまざまな戸惑いがあることでしょう。イライラがつのり、ケンカになったり虐待してしまったりということも起こりがちな状況です。少しでもストレスを減らし、在宅勤務という働き方ができるよう、自宅での仕事の仕方や過ごし方について留意点をまとめてみました。
今後、在宅勤務になる可能性のある方
いつ在宅勤務が命じられても慌てないように、業務内容を見直し、在宅でできることと・できないことに分けておきましょう。
会社に出勤しないとできないことについてはまとめておくこと、在宅勤務の就業規則やルールについて確認すること、在宅での仕事の内容、締め切り、連絡や報告の仕方など上司と相談して準備しておくことが大切です。
今、在宅勤務をされている方
1.テレワーク(在宅勤務)で留意すること
(1)今日実施する事項を計画し、実施事項を報告する。
(2)在宅勤務でできることとできないことを確認し、会社に出勤しないとできないことについてはまとめて上司に相談する。
(3)いつでも連絡できる、電話に出られるようにしておく。
・会社とスピーカーフォンなどを使って通常通り話ができるようにする。
・在宅勤務中でも気にせず連絡してもらえるよう関連する人に周知しておく。
(4)情報漏洩につながることを防ぐ
プリントアウトはしないなどセキュリティを万全にする。
(5)上司や同僚とのコミュニケーション
・電話やSNSなど可能な手段で、上司には報連相(報告、連絡、相談)を徹底する。
・同僚とはお互いの状況や情報交換、意見交換を心がける。チームとしての「つながり」を大切にする。1人ではない、お互いの気持ちも伝え合い共有する。
2.家での過ごし方
(1)できる限り出勤している時と同様に過ごす。
・仕事をする時間⇒始業時間と終業時間を守る
・休憩する時間⇒お茶を飲む時間、トイレ休憩、昼休憩をきちんととる。
・残業⇒やむを得ず残業する場合は事前に上司に相談し許可を得る。
(2)運動を心がけること
・通勤せず、職場内での移動もないなど、普段より運動量がかなり少なくなりがちなので、意識して体を動かすようにする。30分から1時間ごとに1回程度
・椅子から立ち上がって背伸びをしたり深呼吸をしたりなど無理なくできることをしてみる。
(3)食事の質と量、間食に気を付ける
・1人での食事は簡単なもので済ませがちになる。栄養のバランスと食事量に気をつける。家族の食事の準備などで疲れすぎないよう当番制にしたり出前を頼んだりという工夫をする。
(4)疲労を防ぐ
机に座りっぱなしで仕事に取り組んでいると疲労がたまりやすい。適度な運動を取り入れて体を動かす。
(5)集中力が途切れたとき
集中が途切れたり煮詰まったりしたら、気分転換やリフレッシュを心がける。
・小さい音で音楽を聴く・好きな写真や花を眺める・アロマオイルを香るなど
(6)家族との過ごし方
夫や子供が家にいる場合、テレワーク勤務の運用や期間などを説明して理解を得ておく。
小さいお子さんがいる方は、仕事ができる体制作りを会社と相談して支援が受けられようにお願いしておく。
思いがけない在宅勤務という働き方が否応なく現実のものとなり困っている方、やっと慣れてきたという方もいらっしゃることと思います。ご家族と毎日一緒にいて仕事をするという生活について、
困っていることや協力をしてほしいことなど『アイメッセージ(私は〇〇と感じている)』でご家族に率直に伝えましょう。ご家族と話し合って協力してもらいながら新しい働き方に取り組み、在宅のよい点と問題点、改善点など考えていきましょう。会社への報告と相談、コミュニケーションを大切に過ごしていただきたいと思います。
一般社団法人日本産業カウンセラー協会
産業カウンセラー 眞砂亜矢子
上記と同じ内容をPDFにしています。周りの方への情報提供にご活用ください。