運動不足を防いで新型コロナウイルスとの長期戦に臨む
新型コロナウイルス対策で多くの企業が自宅待機やテレワーク、在宅勤務を導入し、ウイルスへの感染機会をできるだけ減らそうと努力されていると思います。
在宅勤務などはこれまでも出産・育児・介護にかかわる社員は利用していた方も多いと思いますが、ある日突然テレワークや在宅勤務を命じられたという方も多いでしょう。パソコンの準備、自宅のネットワーク環境の確認等てんてこ舞いの中でのスタートだったという方も少なくないと思います。
そこで私の周りの社員にどんな気持ちで過ごしているのか聞いてみました。
テレワーク中の方の本音
テレワーク中の方はどんなことを感じているのか、聞いてみると以下のような声が聞かれました。
・家族の対応で仕事が進まない
・職場や関係者との意思疎通が十分にできない
・メールやチャット、web会議が多くなり、やるべき仕事が進まない
・いつ連絡が来るか気になってパソコンの前から離れられない
・椅子に座りっぱなしで運動不足
・間食が多くなり太った
・仕事時間が大幅に増えた
・生活にメリハリがない
・いつまでこんな状態が続くのか不安
便利になったとはいえ、まだまだ問題も多いことが浮き彫りとなっています。
運動不足とメンタルヘルス
テレワークや在宅勤務による運動不足が大きな問題になっています。厚生労働省の健康日本21によると、1日の平均歩数は男性が7,243歩、女性が6,431歩ということですが、テレワークにより平均歩数が急激に減り、3,000歩未満の人が3割もいるという調査結果(株式会社リンクアンドコミュニケーション調査結果より)もあります。
運動は体力低下を抑制するだけではなく、脳が活性化することでセロトニンという神経伝達物質が脳内に増えて、気持ちの面でもリフレッシュさせ、前向きな気持ちを促すといわれています。
一方で運動不足は血流が悪くなり疲労物質がたまることで、すぐに疲れを感じ、消極的になって気分も落ち込み、不眠を引き起こします。
ハーバード大学の研究では、身体活動の多い人はうつ病の患者が20~30%低いという結果もあるほど、運動とメンタルヘルスの関係は非常に強いつながりがあります。
自宅でできるリラクゼーションと運動
いろいろな研究結果からもテレワーク、自宅待機、巣ごもりなどでストレスをためる前に、積極的に体を動かして心も体もリフレッシュすることが大切です。 ここでは三密(密閉・密集・密接)にならずにリフレッシュできる簡単な運動をご紹介します。
丹田呼吸法:副交感神経を刺激してリラックス
1:自分の丹田の場所を確認します。
椅子に腰を掛け、両手の指先をへその下の下腹部に突き立てます。お尻を前方にずらし、背中はまっすぐのまま、頭を後方に倒します。突き立てた指先に触れている下腹部の硬くなるところが丹田です。
2:呼吸をする
ゆっくりと鼻から5秒から10秒くらいかけて息を吸い込みます。自然に普段とおりに吸い込むことがポイントです。
1、2、3とゆったりとしたリズムで少し前傾しながら吐ききります。吐く時間は細く長くやると効果的です。さらに、お尻の穴をぎゅーとへその方向に締め上げると効果的です。
ダンベル体操:代謝をあげてダイエット&リフレッシュ
場所も時間も選ばず、自分の好きたときに実施できます。ダンベルのない方はペットボトルに水を入れて使うことも可能です。下記の動きを5~10回繰り返すだけです。終了後は気分のすっきり。自宅待機のための運動不足も解消できます。
(出典:公益財団法人循環器病研究振興財団 改編)
ストレッチ:血行をよくし、疲労回復
1:筋肉を目覚めさせて、血流を良くしましょう。これだけでも体が温かくなります。
2:肩、腰周りの緊張もとれてリフレッシュ!肩こり解消にも効果的です
3:わき腹〜お尻の筋肉を伸ばします。骨盤の歪みの修正にも効果的。
4:二の腕の内側と体側を伸ばします。姿勢の矯正にも役立ちます。
ピンチをチャンスに変える
働き方が大きく変化したこの時期、多くの方が手探りの状態で生活されている方が多いと思います。仕事も進まないし、ストレスもたまる。でもこのピンチを今後、どのようなときにも対応できる仕事の仕方を試みるチャンスと捉えて、みんなで乗り切っていきましょう。
そして簡単な身体活動も1日のスケジュールに組み入れ、心身の健康を守っていきましょう。
一日も早い新型コロナウイルスの収束を願って・・・。
一般社団法人日本産業カウンセラー協会
シニア産業カウンセラー・公認心理師・健康運動指導士
伊藤美季
上記と同じ内容をPDFにしています。周りの方への情報提供にご活用ください。
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