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50代60代。あなたのキャリアは産業カウンセラーとして活かし続けることができます。
インタビュー全文
岡澤健治さん(元大手電力会社勤務)
役職定年する時期を迎え当時57歳で子会社に行った時に多少時間の余裕ができました。管理職は本来人の話を聞くことが大事なのに、できていない人が多いなという思いがあり、少しでもそういったことに関わりたい気持ちから、産業カウンセラー養成講座を受講する決断をし、2016年に受講しました。
養成講座を受けてから、今まで「どうやって自分の思いや考えを伝えるか」と考えましたが、そうではなく「どうすれば思いを受け取っていただけるか、どうすれば自分の意見に合意していただけるか」と言うような視点に立てたことは変化だと思います。
勉強すればするほど企業にとって傾聴というのは一番重要な一丁目一番地だと思うんです。自分が傾聴スキルを伝えていくことによって従業員が心理的安全性を持って過ごせる職場になればいいなと考えています。
ちょうど定年年齢を迎えたので、人生の後半は自分らしく生きたいなと自問自答した結果、個人事業主として独立をしました。ビジネスマンとしての自分の経験も活かしながら、企業で働く皆さんの支援をしたいと奮起し、若手社員のカウンセリングや、高齢社員のキャリアコンサルティングを業務受託で受けることにしました。ちょうど今始まったところです。
60代、これからの人生は、会社のためだけではなくて、自分らしく生きて行きたいと思いませんか。特に企業でこれから第二の人生を迎える方に、「あなたの次の人生のスタートって、今あるものだけでいいですか?これからのご自分に対して自分の将来に投資して行きませんか?」とお話しをしたいですね。
自分らしさというのは経営者として利潤追求をして行くようなことではなくて、誰かの役に立ちたい、困っている人の助けになりたいという思いだったような気がします。私にとって産業カウンセラーというのは、すごく理想的な自分の人生後半の切り札なんじゃないかなと感じております。今はすごく充実しています。
北井克尚さん(化学メーカー勤務)
入社後20年は営業、その後生産管理業務を担当し、最終的に製造部門の管理部長になりました。その時に人事部から社内相談員にならないかと声掛けがあり、引き受けたところ、産業カウンセラーの資格が必須ということで2019年の春に受講しました。
会社の指定でもあり、正直あまり期待をしていなかった部分もありましたが、受講してみると、指導者の傾聴に対する姿勢や、メンバーと一緒にカウンセリングを体験していく中で「カウンセリングってこういうことなんだ」とすごく感動しました。
労務管理をしていた時にメンタル不全の方の件で社内の相談員と面談をした際、相談員は最後に必ず「北井さん最近どうですか?」と私の話を聞いてくれるんですね。
当時、私は上司のパワハラで相当疲れていたことを30分くらい話したのですが、ひたすら聴いてくださるだけで、当時は「なんなんだろうなこれ」と思っていました。ただ、何回か話しているうちに「どう始末をつけるか」を自分で結論を出していくことができました。
養成講座を受けながら、その時を思い出して「カウンセラーは自分で解決できるように援助することなんだな」というのがぴったりはまり、カウンセリングって素晴らしいことだなというのが、だんだん分かってきました。
社内相談員に声を掛けられた時は57歳。 それまでなんとなく流れてに沿って営業や生産管理を担当し、最終的に管理部門の人事労務をやるようになり「自分はこれを目指した」「キャリア開発をしていこう」という意志はありませんでした。会社生活終盤になって資格を取り、セカンドキャリアを意識したのは社内相談員になってからです。
先日、子会社からストレスチェックの職場分析結果、高ストレス者がすごく多い状況なので、その対策のひとつとして、私に「メンタルヘルス講習をやって欲しい」と依頼がきましたが、その時ちょっと待てよ、と思ったんですね。その職場分析の結果から「職場改善」を進めていきましょう、といった提案や、「コミュニケーション研修」に自分が入って行う等、もっと提案できることがたくさんあるんじゃないかなと思い、今検討しているところです。
産業カウンセラーのベーシックな考え方であるクライアントを尊重して支援をして行くことが、結果的に自己理解や自己解決力につながります。その根底にある理念は本当に素晴らしいことだと思うんですよね。人間に生まれてよかったいうことが体感できますし、生きていくことに、ともに関わることは本当に素晴らしいことだと思っています。
金子栄さん(情報産業勤務)
会社に勤めて35年になります。今は営業局で80名ぐらいの組織の中でヒューマンリソースを担当する職務をしております。一人一人の健康状態や業務状態、メンタル状態などを管理する仕事をしています。
若い人から中高年に至るまで色々な問題を抱えながら働いている方が多いという思いから、少しでも力になりたいと思い産業カウンセラーの取得を目指しました。
受講前は、スキル的なことや知識的なことを学ぶと思っていましたが、人の話を聴くということは自分の側に受け止める素養を生み出す必要性があり、そこに向けて自分自身を見つめ直し変化を感じる日々でした。
仕事の中で面談や1on 1ミーティングがあります。今までは相手に対して自分の経験や自分の立場からアドバイスが主でしたが、今はその人の事情や、その人が考えていることを聞いてみる、受け止めて見ることがまず第一だなあと変わってきました。 私のところに来て話して帰っていく敷居が低くなったというか、気軽な形で声をかけてもらえるようになったと思います。
自分も含めて周りの同じ世代が定年や役職定年を迎えたり、部長が出向したり、さまざまな立場の変化があります。今まで上り坂でがむしゃらに頑張ってきた人間にとってみれば企業から必要とされてないんじゃないかなと落ち込む方もいらっしゃるかもしれないと思いますが、そういうときこそ自分自身を見つめ直す一番いいチャンスなのではないかなと思います。定年だから人生が終わるわけではなくて、月並みですけど、人生100年時代、100年生きるためには自分は今何ができるのか、今まで自分が何をしてきたのか、自分はどういう人間なのか、を見つめ直す一番いいチャンスではないかなと感じます。
50代はいろいろな生き方をしてきた方達にとってターニングポイントの時期かと思いますので、養成講座は50代の方すべてに対しておすすめしたいなと思います。 私自身は60代以降になった時には学んだことを生かした形でカウンセラーとして人の役に立ってみたいと思っています。
一条太郎さん(元化学メーカー勤務)
会社で50歳研修を受けた後に、キャリアカウンセラーから「今の保有資格で60歳になっても役に立つ資格はありませんよね」とダイレクトに言われたんです。その方から「実は私は産業カウンセラーの資格を持ってこの仕事をしています」と聞いて、初めて「産業カウンセラー」を知りました。
私は当時、研究所の総務関係の責任者で、直属の部下にうつ病の方がいまして、どう対応したらいいかわからなかった。また自殺未遂をした従業員の復職にどう接点を持ったらいいのか全然わからなかった。その時「産業カウンセラー」を知り受講しました。
資格取得後、上司部下のコミュニケーションに課題を感じていたので「傾聴塾」と言う研修を企画し、スタートさせました。研修後に上司たちの話を聞くと、「部下の話を聴くっていうのは難しいなあ」「自分の話をするのは得意だけど聴くのは難しいね」と反響があり、職場の中で「傾聴」という2文字が市民権を得たのかなと思います。
また、従業員向けの相談室があるサポートセンターを作り、退職するまでの7年間、その立ち上げと相談員として活動を行いました。
養成講座の受講は自分を振り返る大きなチャンスだったと思います。自分の態度や言動がどういう意味を持つのか自分を客観的に見る事ができました。
一番大きいのは、定年退職した後も自分の居場所があるということ。会社人生からポッと出た時に、自分は何者なんだという話になるわけですね。 そこで産業カウンセラーとしてまだ仕事が続けられるんだというのは大きなことだと思います。
岩村由紀乃さん(マスメディア企業)
受講の動機としては、大きく二つ。ひとつは会社の中でメンタル不調を訴える人が出てきたことがありました。私も管理職として対応する場面が結構あったのですが、これでいいのかなと疑問があり、何かしなくてはと思っていました。
もう一つはやっぱり役職定年が間近に迫っていたというのがあって、このまま役定になって自分の働くモチベーションが維持できるのか疑問がありました。というのは、役定になってやっぱりモチベーションが下がっちゃったっていう先輩方を結構見てきたので、自分として何か一つ持っていたいなっていうのがあり、それも大きな理由として受講を決意しました。
続けられるかどうかと思いましたけど、段々行くのが楽しみになりました。
本当にメンタルで苦しんで悩んでいる人たちを目の前にして、やっぱり知らないと対応できないというか、独りよがりの対応の仕方になってしまいますので、この専門的な知識を身につけることによって、本当に相手も救われるんじゃないのかな、という思いもあります。
なんとなく私に聞いてもらえているっていう安心感というか、そういうのはあるかなと、自分で勝手に思っているんです。そういうところは生じているかなと思ってます。
現時点でまだ管理職という立場ですが、ここでこの知識とスキルがものすごく生きてるなあと思っています。
管理職になると、上から目線でどうしてもああだこうだと言ってしまいがちなんですが、相手がどう思っているのか、どういう状態にあるのかっていうことをつかむ上で、耳を傾けて傾聴するというのはすごく重要なスキルと思います。管理職の部下と向き合うときの姿勢として役に立つと思っています。
聴くことが大切なんだと気が付けばもうちょっと滑らかな人間関係が構築されて、会社としても業務上良くなっていくのではないかなと思っています。
今後役職定年になった時にやっぱり自分でこういう資格を持っているんだっていう自信になるのではないかなと思いますね。それも豊かさの一つだと思うんです。会社の中での対人関係とか、友人との関係とかを通して、豊かさというのをなんとなく感じているところですね。
受講年齢に上限はないんじゃないかなと思います。本当に自分に役立つし、自分自身に本当にためになることでもあるし、自分が周囲の人たちの人間関係にも良い影響を与えるので、いくつ、というのはないのではないかと感じます。